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アスペルガー息子の療育記録

見たものになっちゃう!

見たものになっちゃう!

10月おわりか11月に入ったころから、
HEROくんの常同行動(チック)が少し変わりました。

すぐに、目を手で覆うしぐさを繰り返すのです。

最初は、目が疲れたのかと思いました。

「目がいたいの? それとも目が疲れた?」と聞いても、
特に答えてくれません。

「なんかやっちゃう。どうしてもこうなるの。」
という返事を聞いたときに、

ああ、また、新しいチックが始まったとだけ思いました。

保育園の年中から1年生までは、ズボンの上からおちんちんを触るのがくせでしたが、
今考えるとチックだったかもしれません。
2年生になってからは
急に新しい行動が起こっては、
前の行動がフェードアウトしていくという
行動の切り替わりが 次々と続いてきました。

・鼻ほじり&指舐め
  ↓
・水道での頻繁な手洗い
・手についた水の撒き散らし
  ↓
・机などの端を持ち上げてガタンと落とす
  ↓
・ヘッヘッと言い続ける
  ↓
・手で目を覆う

それぞれ、感覚的についやってしまうなんらかの理由があるらしいのですが、
うまく説明できるようなものではないみたいなのです。

どこかしら感覚に違和感があるため、
少しでも気持ちを安らげたり、自分を安定させようと
無意識にとる防衛反応のようなものなのかなと感じます。

今回の、手で目を覆う行動も、
理由がわからないながらも、そのうち消えるだろうと思っていましたが、
食事の際にそれがどんな感覚なのかを
垣間見させてくれるような言葉をHEROくんがつぶやきました。

そもそも、うまく説明する表現力がまだあまりないので、
なんども聞き返してしまったところ、
本人もキレかかって混乱を示しましたが、
なんとか内容をつないでいくと、
次のようなことを言っているようでした。

「ものを見ていると、
 見ているそのものになっちゃう気持ちになる。

 それはいやだから、黒いものをじっと見たり、
 目をつぶって目を隠して真っ暗にすると、
 それにならなくて済む。」

ということらしいです。

対象がなんであろうと関係ないようです。
お味噌汁を見ていたら、自分がお味噌汁になってしまうのです。

とうてい、私には理解できない感覚なのですが、
本人にとっては、怖いようです。
自分が自分でなくなるような気がするのでしょう。

見たものに・・・

これを聞いて、なんだか、
ドナ・ウィリアムズの「自閉症だったわたしへ」に出てきた内容とよく似ていると思いました。

ドナは、人に対してよりも、周囲の”物”に対しての方が共感できるとか、
”そのものになってしまう”というようなことを記述していました。

なので、こうした感じを持ってしまうのは、
自閉症者特有の共通した感覚なのでしょうか。

私たちは、自分のフィルターを通して 周囲の世界を見て解釈し、
その世界があたりまえ、常識だし、
それ以外はありえないと思い込んで生活しています。

大多数の人たちは、よくにた共通フィルターを使っているからこそ、
同じように世界をとらえ、似たような感覚で認識し、共通のルールを持てます。
そして当然のように、そのルールに従い、
安心して世界に住み続けています。

ですが、同じ世界の中にいても、
かなり違ったフィルターしかもたない人にとっては、
まったく異次元にいるように感じることでしょう。

それが、恐怖を覚えるようなものであったなら、
毎日おびえて暮らしているのではないでしょうか?

その怖さそのものは理解できませんが、
自分がまったく理解不能な世界の中に閉じ込められていたら、
どんなに不安だろうかということは想像できます。

ほんの少しだけど、HEROくんの理解ができたかなと感じたできごとでした。


自閉症の方たちの感覚を、
少しでも理解したい方にはおすすめの本。
読み物としてもすばらしいです。
 ↓
ドナ・ウイリアムズ

◆ 自閉症だったわたしへ  (新潮文庫)
◆ 自閉症だったわたしへ〈2〉 (新潮文庫)
◆ 自閉症だったわたしへ〈3〉 (新潮文庫)


コメント

  • お疲れ様です。

    私もドラマ見てて、ヒロインになりきっちゃうことあるけど(現実逃避^^;)
    お味噌汁になっちゃう…って、それは大変。
    脳の情報の処理の仕方が独特なんだろうね。
    自分が自分でなくなっちゃうような感覚って怖いだろうな。

    チックは、不安を打ち消すために、無意識にしてしまうんだよね。
    今回、理由がわかったのは、すごい~。

    ヘッヘッと言い続ける←ウチも下の子がそれ、しばらくあったよ。
    ウチはキッキッだったから、ちょっと野口さんっぽかった(汗)
    野口さんはクックッだっけ?


  • Re: お疲れ様です。

    >>1

    何か、声に出し続けるというのは、よくありますよね。
    鼻歌を延々と歌い続けるのもそうしたものなのでしょう。

    野口さんがどなたなのか知りませんでした。
    よかったら詳しく教えてくださいね。

    今回の、HEROくんが「見ているものになってしまう」感覚ですが、
    何度聞いてもよくわからないので、再度内容を確認してみたら、

    何かを見ていて、つばとか水とかをゴクンと飲み込むと、
    見ているものになってしまうのですって。

    元に戻りたい場合、
    口にしていたものを吐き出す必要があるのだとか。

    いきなり、ダイニングで口に含んでいた水を、わざわざ布団の上に行って
    ペッって吐き出していて、仰天して叱ったことがあったけど、
    そんな理由があったとは思いもしませんでした。

    なんだか本人がわけのわからない雰囲気にはなっていると感じましたが、
    やっぱり、辛いのでしょうね、どうしようもなくて。

    理解に苦しむ突飛な行動は、何かしらの理由があるようなので、
    つねに、反射的に叱らないように注意しなくてはならないなと思っています。

    ・・・が、なかなかとっさの反応というのは、
    自分でも変えるのは難しいです。





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